そらいろちょっきり

生きもの見つけたりとかするよ

セアカオサムシを飼育しますよって話

どうもぼこわたりです!

 

今回はタイトルにありますセアカオサムシのお話です。

 

 

 セアカオサムシってなぁに??

 

 

 

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セアカオサムシは体長20mm前後のオサムシの一種です。

ぼくが飼育している他のオサムシと比べると一回りも二回りも小さいです。

小指の第一関節あるかないかくらいの大きさです。

 

体は小さいものの前胸背板が赤銅色に輝き、

上翅にはこぶ状の突起が並び、赤い金属光沢のある縁取りがされています。

光の加減によっては赤の中に緑の輝きが見えることもあり非常に美しいオサムシです。

 

分布域は広く、北海道から九州まで生息しているようですが

どこにでもいるオサムシというわけでもなく、

生息密度は薄いのでいるところにはいるけれどいないところにはまったくいない、

探すのがちょっと難しいオサムシという印象です。

 

先に紹介した写真の個体は2020年の4月に採集したものです。

ペアで採集して繁殖を試みたかったのですが、オスしか採集できませんでした。

その後コロナウイルスによる緊急事態宣言が発令され採集に行くこともできなくなり、

このままこのオスは交尾もできないまま死んでしまうのかと思っていましたが、

友人のうろぼんさんの御厚意により、北海道で採集された個体を

ペアで送ってもらうことができましたので

今回繁殖用のセットを組んだ様子を紹介したいと思います。

 

 

 

セアカオサムシの繁殖用飼育セット

 

普段は飼育しているオサムシ類はすべてプリンカップ

ティッシュペーパーを敷いて湿らせ、

転倒防止用に鉢底ネットを切ったものを入れて個別管理し、

交尾の時だけオスメスを同居させる方法で飼育していますが、

セアカオサムシの繁殖についての情報はネット上にも全くと言っていい程存在せず、

何もわからない状態なので、オスとメスを一緒に飼育して、

彼らのタイミングで交尾して産卵してもらえるように

プリンカップより広めの環境で飼育することにしました。

 

 

 

 

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まず用意しましたのはハンミョウ飼育の記事でもおなじみの

100均のタッパーの周りを鉢底ネットでぐるっと囲んだ奴です。

 

 

 

 

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今回はこのタッパーを2セット用意しました。

 

 

 

 

 

 

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飼育に使用するのはクリアスライダーです。

ハンミョウ飼育の時はクリアスライダーラージという大きめのものを使いましたが、

今回はラージではなく小さいサイズの奴です。

セアカオサムシはとても小さいのでオスメスの2匹くらいなら

小さいサイズのクリアスライダーで十分かなと思いました。

 

 

 

 

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クリアスライダーの内側にタッパーを2個並べます。

それぞれ壁際に寄せておきます。

 

 

 

 

 

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タッパーが動かないように隙間を土で埋めていきます。

赤玉土を細かく砕いたもの60%に、珪砂6号を40%くらいの割合で混ぜたものです。

砂を混ぜたほうが水はけがよくなって湿度の調整が楽になるかと思います。

 

 

 

 

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タッパーの周りに巻いた鉢底ネットが隠れるくらいの深さまで土を入れます。

鉢底ネットをしっかり土に食いつかせるために、

クリアスライダーの壁面との隙間にもさらさらと土を入れておきましょう。

その後土に霧吹きで水分を与え、適度に湿らせます。

 

 

 

 

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土を十分に湿らせたあと、ゆっくりタッパーを引き抜きます。

鉢底ネットが土が崩れるのを止めてくれるので、

タッパーを取り出して清掃したりするのがこれで楽になります。

 

 

 

 

 

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ふたつのタッパーにそれぞれ産卵用の床材を入れます。

左の白いほうが珪砂6号で、右の茶色いほうが珪砂6号に

pH無調整ピートモスを40%程混ぜ込んだものです。

どちらもビショビショにならない程度に湿らせてあります。

スプーンですくってポロポロと落ちるくらいの感じです。

水を含ませすぎるとシャーベットのようにザクザクになってしまうので

そうなる手前くらいの水分量です。

 

 

 

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ケース内にタッパーを戻します。

これで赤玉土+砂、砂100%、砂+ピートモスの三種類の床材をセットできました。

セアカオサムシがどのような土に好んで産卵するかもわかりませんので、

可能性のありそうな組み合わせで用意してみました。

マイマイカブリや他のオサムシ類は無機質の床材に卵を産んでくれるので、

セアカオサムシに通用するかわかりませんがとりあえずこれでいきたいと思います。

 

 

 

 

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隠れ場所兼保湿用にミズゴケを少々入れておきます。

ミズゴケもかなり水分抑え目でパサパサの一歩手前くらいにしておきます。

セアカオサムシは乾燥気味の開けた草地に生息するといわれていますので

あまり湿度が高く蒸れ蒸れになるのは好まないかもしれないと思ったからです。

 

中央の白くて丸いのはペットボトルのキャップです。

ここに餌を入れる予定です。

 

 

 

 

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ぼくはあまり賢くないので無い知恵を絞ってこのようなセッティングにしてみました。

もっとこうした方がいいとか、以前セアカオサムシの繁殖に挑戦した方などいましたら

アドバイス頂けたら嬉しいです。

 

 

 

 

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セアカオサムシの飼育についての情報はネット上にもほとんどなく、

ぼく自身も初めての試みなのでこの飼育法でうまくいく保証はありません。

成功しても失敗しても結果を報告したいと思いますので、

この記事の情報が後の誰かの飼育の助けになれば幸いです。

 

最後になりましたがセアカオサムシを快く譲って頂き、

飼育や繁殖に挑戦する機会を与えて頂いた友人のうろぼんさん、

どうもありがとうございました。

 

 

 

 

うろぼんさんのブログはこちらから

 

2021年8月8追記

飼育結果の報告です。

砂+ピートモスの床材を好んでいるようでよくそこに潜り込んでいましたが、

産卵は確認できず成虫は皆寿命を迎えてしまいました。

餌としてカイコの幼虫やコガネムシの成虫(凍らせて縦に割って中身を食べさせる)

フトミミズなど色々与えてみて、どれもよく食べていましたが

産卵に必要な栄養素が得られなかったのか、

もしくは床材が適していなかったのかもしれません。

なかなかセアカオサムシを採集したり入手する機会がないのですが

いずれまた繁殖に挑戦したいですね。

 

 

 

 

 

それでは今回はここまで。

次回をお楽しみに!