モモチョッキリは憧れの虫
どうもこんにちわ、ぼこわたりです。
皆さんはモモチョッキリってご存知でしょうか。
5月6月くらいによく見られる虫で、
名前の通りモモの木等に集まります。
大きくなり始めたモモの実に穴を開けて卵を産み、
さらにその実のついた枝ごとチョッキリと切り落とします。
卵を産み付けられた実は当然ダメになってしまうので
農家の方からは害虫として嫌われている虫です。
モモの他にもウメやビワ、ナシやリンゴの実にも卵を産むそうで、
バラ科の果樹の害虫になってしまう虫です。
今回はこのモモチョッキリを探しに行ったときの話になります。
2019年5月11日 天気:晴れ
この日は起きるのが遅くて昼前までぐっすり寝ていたので、
出発はかなり遅めになってしまいました。
11時くらいに家を出て、県内の自然が多く残っている谷戸に向かいます。
現地に着いたのが13時過ぎ。
かなり遅めのスタートになってしまいましたが
元気よく歩いていきます。
シンバラリアの花がかわいかったので写真撮影。
生命力が強くて帰化植物になっているらしいですね。
シロバナタツナミソウも群生していたのでパチリ。
生垣のバラに大量発生しているイバラヒゲナガアブラムシ。
太陽の光でキラキラ輝いていました。
ナナフシモドキの幼虫も成長してますね。
ちょっと珍しい白藤の花にハチの仲間やハムシやカミキリムシが集まっていました。
アカスジキンカメムシの幼虫ですね。
ぱっと見た感じ黒と白の模様に見えますが、
黒い部分は金属光沢があって光の当たり具合では虹色に輝きます。
エゴノキにオトシブミの揺籃を発見。
エゴツルクビオトシブミのものですね。
都市部の公園などにも発生するので、オトシブミの中では
見つける機会が多い種類と言えそうです。
成虫はいないかと探しましたが、ちょうど揺籃を作った成虫がいなくなって、
5月末ごろに揺籃から新成虫が出てくるまでの空白の期間だったようで
この木には成虫がいないようでした。
木が密生して薄暗くなった林床には
コツボゴケとジャゴケがたくさん生えておりました。
リンゴコフキハムシ。
クヌギの木の下を飛んでいたのを手でキャッチ。
全身が白い粉に覆われていますが、触ると簡単に取れてしまいます。
背中の辺りがぼくが触ってしまったので粉が薄くなってしまいました。
そしてエゴノキで見つけました。
揺籃作成中のエゴツルクビオトシブミのメスです。
風に揺られながら一生懸命揺籃を作っていました。
アサヒナカワトンボ。
緑色のボディが美しいですね。
初夏を感じさせる爽やかなトンボです。
ヤマトシリアゲが交尾しています。
オスは餌をプレゼントしてメスがそれを食べている間に交尾をするそうです。
よく見ると干からびたカエルの死体を食べているようですね。
こちらはノイバラに作られた揺籃。
恐らくヒメクロオトシブミのものでしょう。
成虫はやはり近くにいませんでしたが、
ヒメクロオトシブミも結構どこでも見ることができる種類です。
イノコヅチカメノコハムシでしょうか。
最初ジンガサハムシだと思っていたのですが、
家に帰って調べたらどうもイノコヅチカメノコハムシっぽく見えます。
せっせと花粉を食べるコアオハナムグリ。
かわいいですね。
別のエゴノキではペアで揺籃作りをするエゴツルクビオトシブミが!
1枚目の写真にあるように、この種類は触角を頭部に沿わせて
風を感じているかのように顔を上げる動作をしますね。
エノキにぶら下がる揺籃が!
エノキに揺籃を作るのは・・・
ヒメゴマダラオトシブミです。
この写真を撮った次の瞬間、ポロっと落下して飛んでいきました・・・
途中で見つけたニホントカゲ。
再生中のしっぽが短くてツチノコみたいです。
ヒゲナガハナノミ。
おしゃれな虫ですね。
そしてついにボケの木を見つける。
今回の最大目標であるモモチョッキリの集まる木のひとつだ。
バラ科ボケ属の植物で、小さなカリンのような実をつける。
まずは日が当たらず陰になっている枝を見ていく。
葉の表にいるのか、それとも裏にいるのか、
枝にしがみついているのか等、注意して見ていくが見つからない。
続いて日当たりのいい部分も探していく。
が、これまた見つからない。
もしかして時期が悪いのか??
でも発生時期は合っているはず・・・
まさか、来る時間が遅すぎたか???
午前中に来るべきだった・・・!!??
とか考えていると目の前をぷ~んと飛ぶ虫が。
そして枝に止まりました。
モモモモモモモモモチョッキリ!!
興奮してモが多くなるくらいびっくりしました。
興奮しているので当然ピントも合っていません。
目的の虫が目の前に飛んでくるとか作り話みたいなことあるんだなって思いました。
また飛んで行くとマズイ(オトシブミやチョッキリの仲間は飛ぶことが多い)ので
すぐに確保しました。
この木にモモチョッキリが来ることは証明された。
もっと探せばきっとまだ見つかるはず!
先程より注意して色々なところを見ていくと
モモモモモモモモモチョッキリ!!(二回目)
かなり地面に近いところにある実にくっついておりました。
実の表面が削れて茶色くなっているのはモモチョッキリが齧った痕でしょうか。
それならばもっといるはず!と探し続けます。
この後も何匹かこの木で見つけることができ、
なんとなくモモチョッキリのいる場所が解ってきました。
木の表面的な部分(枝先や葉の表)にはいなくて、茂みの奥の方にいる。
実についていることが多い。
総合すると、木の茂みの奥の暗いところの実についている。
気配を感じるとすぐ脚を縮めて落下して下草の中に消えていくので
手で捕まえる時は片手を下で受けるように添えてから、
もう片方の手も下側から掬うように近づけていくと良いと思います。
ボケの木は枝にトゲが生えているので、奥まで手を入れるのは難しいので
モモチョッキリが奥の方を好むのは理に適っているのかもしれませんね。
深みのあるワインレッドのボディの中に
緑や青の色も混じりこんでいて、
よく見ないと気付かない美しさのある、渋い虫ですね。
体の表面には産毛が生えていて体をつまむとやわらかい触り心地です。
こういうのは実際に現地に行って、見て、触らないと気付けなかったです。
モモチョッキリを見つけられて大満足の帰り道に見つけたシロコブゾウムシさん。
木の柵の上にいました。
今回生まれて初めてモモチョッキリを観察することができました。
居そうな場所を調べて、実際に現地に行って見て、
思った通りに狙いの虫を見つけられると嬉しいですね。
今回はここまで、次回をお楽しみに!